学歴コンプは一生続くのだろうか。
今日は4月8日。
大学の入学式を終え、授業が始まるころですね。
まずは入学おめでとうございます。
これから大学一年生になる君たちに、伝えたいことがあります。
Contents
大学を辞めたい
私は二年前の四月。つまり一年生の四月。
この大学をやめようと思っていました。
「え、四月なのに?早すぎじゃね?」
「せっかく勉強して合格したんじゃないの?」
当然の疑問です。
なぜか。
学歴コンプレックスに陥ったからです。
学歴コンプレックス
学歴コンプレックス読み方:がくれきコンプレックス
自身の学歴に対する劣等感を意味して用いられている語。自身よりも高学歴の人に対する嫉妬や、他人の学歴を必要以上に気にする行動などとして表面化することが多いとされる。https://www.weblio.jp/content/%E5%AD%A6%E6%AD%B4%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
私は典型的な学歴コンプレックスを抱えた人間でした。
高校時代通っていた塾では、毎月の模試の上位者が壁に張り出されます。
それに載ることは気が狂いそうな受験生活で心の支えになりました。
ある意味では必要なものだったのでしょう。
ですが点数だけですべてを評価する世界で過ごすことで、次第に正常な判断能力は失われてしまいました。
- 「俺の方が○○より点数が高いからすごい。」
- 「あいつは成績が低いからダメなやつだ。」
- 「え、センター模試〇割とか恥ずかしい点数だなあいつw」
- 「○○大学にも行けないやつはバカだろ。」
- 「××大学はB+ランクかなー」
こんなことを本気で考えていました。
センター試験での失敗

センター試験が終わりました。
国語で失敗しました。
「こんなはずじゃなかった…俺は○○点はとれるはずなんだ…こんな点数はありえない…」
結局、第一志望の大学は受験しませんでした。
第一志望に落ちるのが怖かったからです。
もし落ちてしまえば「お前は価値のない人間だ」と突きつけられてしまいます。
そしてもう一度試験の点数だけがすべてを支配する世界に戻らなければなりません。
どうしてもそれが怖かったのです。
そうして急遽受験する大学を変更しました。
一度も見に行ったことのない大学に。
試験を受けて私は完全に落ちたと思いました。
数学は大問5つのうち3問が白紙。英語は30分かけた問題が解けませんでした。
ふたを開けてみれば、幸いにも合格していました。
学歴コンプレックスの悪化
一番のきっかけは成績開示をしたことでした。
「あれだけひどい解答だったのだから、ギリギリで受かったんだろうなあ。」
え…上位10%?
私はギリギリで受かったと思っていた大学に上位10%の成績で合格していました。
「○○は成績開示どうだった?」友人が尋ねてきました。
「上位10%だったよ。」
「えーすごいね!」
「俺さ、センター試験の国語、○○点しかなくてさ、絶対ギリギリで受かったと思ってたわ。」
「いやいや、○○点って俺の二倍もあるよ!俺××点しかないけど受かった!」
は…? ××点…?
俺は今、センター試験のでたった××点しか取れないやつと一緒の大学にいるのか?
あんなひどい解答で上位10%に入っているのか?
俺はこの程度の大学にいるはずじゃないんだ!
もしあのとき第一志望の大学を受けていたら、絶対合格していたはずなんだ!
もしあのときセンター試験で○○取れていたら、俺はこんなところにいないはずだったんだ!!
そうだ、この大学を辞めてもう一度○○大学を受けなおそう、俺ならやれるはずだ…
学歴コンプレックスの恐ろしいところ
大学に入学すると大きく環境が変わりますよね。
友人関係はすべてリセット。
毎日新しい人と話す。
サークルも探さないといけない。
難しい講義を毎日受ける。
私は大学から一人暮らしになったので、毎日家に帰ると一人で泣きました。
環境の変化についていけず、とにかく毎日が辛かったのです。
「この大学にいるやつはみんなつまらないやつばかりだ!」
「今こんなにつらいのはこんな大学にいるからなんだ…」
「○○大学に行けばすべてがうまくいくはずだったんだ。」
学歴コンプレックスの恐ろしいところはすべてを大学名のせいにすることです。
学歴コンプレックスにありがちなこと
自分も含めて学歴コンプレックスに陥る人にありがちなことは以下です。
- 過ぎ去った過去の自分に対して過度な期待をする。
- 来てもいない未来の完璧な自分を想像している。
ああ…あのときもっと頑張っていれば!
なんでもっとまじめに勉強しなかったんだ!
受験を終えた『今』からすると、受験当時の自分は全然頑張っていなかったようにおもえますよね。
私たちは過去のことを後悔するとき、考えられる最良の選択肢と比較してしまいがちです。
最良の選択肢を選び続けてきた理想の自分を想像し、今の自分とのギャップに衝撃をうけ後悔に苛まれます。
少し心を鎮めて、思い出してみて下さい。
『その当時のあなた』は精一杯頑張ったはずでしょう?
もし第一志望の○○大学に行けていれば、超有名企業に入って恋愛もうまくいって、幸せな人生になるはずなんだ!
過去と同様に、私たちは未来のこと想像するとき最良の選択肢を選び続けた自分を想定してしまいがちです。
未来は『今』の自分次第のはずでしょう?
居場所を作ろう
学歴コンプレックスの解消法。それは、
居場所を作ること。
居場所とは、
- 友達
- 恋人
- バイト
- スポーツ
- サークル
- 勉強
- 趣味
- 本
- 映画
- 旅 など…
なんでもいい。あなたが好きなことをしましょう。好きなところにいましょう。
学歴コンプレックスにおける『嫉妬』や『劣等感』は自分が認められていないと感じるから生まれるのです。
自分を必要としてくれる人・場所にいきましょう。
学歴への『執着心』は自分がすがれる場所が大学名にしかないから生まれると言えます。
○○があればいいんだと思える物事・依存先をたくさん探してください。
幸い大学生には時間がたっぷりあります。
当然の意見ですよね。私もそう思います。
居場所を見つけるには時間がかかります。
いろんな人に勇気を出して話しかけ、たくさんのことをやってみて下さい。
それでもほとんどのことはうまくいかないと思います。私は居場所が探しにも空回りばかりの日々でした。
一方で、あなたの大学生活はまだ始まったばかりです。試す時間は十分にあります。
ある意味で、学歴コンプは時間が解決する。
ある意味で、学歴コンプレックスは時間が解決してくれます。
大学で講義を受けて、サークルに入って、バイトしてれば、大学生活少しずつ慣れてきます。
慣れてくると少しずつ自分の生活に余裕が出てきて、友達もできます。
頑張れば彼氏・彼女だってできるはずです。
大学名を気にするより、自然と好きな人やことに時間を使うようになります。
私は一年かけてそんな風に学歴コンプレックスが消えていました。
それは大学生活に慣れたから。
居場所ができたから。
あれだけつまらないと思っていた大学が、居場所ができたことで好きな場所になりました。
時間を経て居場所ができれば、学歴コンプレックスなんてものは過去のもの。
新入生のあなたが辛いのは、まだ時間が十分じゃないだけです。
最後に、私の学歴コンプレックス時代に高校時代の恩師や周りの大人の人たちに教えてもらって今でも覚えている三つの言葉を紹介して終わります。
友達ができないのは大学のせいじゃない。
話しかける勇気と仲良くなる時間がまだ足りていないだけなんだ。
過去の自分を後悔するのも仕方がないことだ。
でも『過去の自分』も精一杯頑張ったことを受け入れてあげよう。
未来は大学名だけで決まるのか?
いや、未来の自分は今の自分が作るんだよ。